存在しない完全

ただの雑記ブログ

謙虚が私を苦しめる

とある人、の家族からお願いされてある手伝いをした。その人の用事を手伝ってほしいと。別に報酬が出るわけでもないけど用事があるわけでもない。断る理由もないしその人にはお世話になっているのでまあ当然のように手伝った。人の役に立てることはどちらかといえば好きな方である。自分が求めれられているなら、喜んで動こう。

作業当日、仕事のためそのとある人は一緒にいなかった。その人の家族と、私が作業をした。まあ、これが大変だった。天気が悪く、湿度が高い。汗びっしょりになったが無事終えた。

次の日、ばったりとその人に会う。
「おいっすー」
昨日は私があなたのために頑張ったんだぜー、と言う想いを隠しながら軽く挨拶。
「こんにちはー」
「…………」

わたしはちょうど帰るところだったのでそのまま車に乗り込む。大雨がフロントガラスを叩くなか、信号を待っていた。コンビニに寄ってコーヒーでも飲んで帰ろうかな。そんなことを考えていたとき。

ん?あれ?あれれ?
私が昨日あの人のための作業をしたんだよね?
さっき出会ったよね?
なにも、言われなかった?

ふと数分前のことを思い出す。あれは紛れもなく本人だった。見間違えだった訳ではない。私ともう一人はあの人のために、昨日しんどい思いをしたよね?



一言くらい、あってもいいんじゃない?



普通なら、そう思うのだろうか。私も少しだけ、ほんのちょっとだけ、そう思った。そして、そう考えてしまう自分が嫌になる。もしかしたら怒る人もいるのだろうか。私は怒ることがない。怒らないというより、怒るような出来事がないし、怒りかたがわからない。そして怒っている人を見るのが嫌いだから、自分は怒る、イライラを態度に出す、怒鳴る、ことをしないと誓っている。

だから頭に浮かんだ考えを消し去る。そもそも私が手伝ったことを知らないのかもしれないなぁ。それか私はすごく話しかけづらい人だと思われているのかなぁ。私のことがあの人はとても嫌いなのかも知れない。直接頼まれた訳じゃないんだから、「お前になんか頼んでないだろ!」とか逆ギレされたらもう。私のプレパラートより薄くて割れやすいハートは木っ端微塵だ。私が頼まれて、私が自分の意思で承諾して、自分で動いた。お礼を言われなくて怒るくらいなら最初からやらなければいい。見返りを求めて行動したわけじゃないんだから、まあいいじゃないか。善意とは、そういうことじゃないの?

感謝されたいなんて、傲慢だ。

だから私は本当になにも思ってない。なんだあいつ!といらいらしているわけでもないし、常識が
ないんだなぁ、とあきれているわけでもない。本当に私は私のことをなにもない人間だと思っているから、少しでも役に立てたのなら、嬉しい。


ただ、いいことをしたはずなのに、一言もらえない理由は自分の中にあるのだと、何か自分に落ち度があるのだと考えてしまって、結果落ち込んでしまうのはちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、悲しくて苦しいよ。


でもやっぱり適当でいいから、「ありがとー」って言ってほしかったな。自分は誰にも必要されてないのかなって思ってしまうよ。ごめんなさい。